退職後の健康保険というと、多くの人がまず「任意継続」を思い浮かべるのではないでしょうか。実際、会社を辞めた翌日から、これまでの健康保険に最長2年間そのまま加入できる任意継続被保険者制度は、最も広く知られた選択肢です。

しかし、当該組合の被保険者期間が20年以上といった条件を満たす方には、任意継続よりも保険料が安くなる可能性がある「特例退職被保険者制度」という第4の選択肢があります。ところが、その存在に気づかないまま、任意継続を選んでしまうこともあり得ます。この制度は特定の健康保険組合だけが実施している任意の仕組みであり、そのことが十分知られていないのかもしれません。

なぜ任意継続より保険料が下がりやすいのかという仕組みと、制度を維持する組合の状況について整理します。

この記事を特に注目すべき方
  • 定年退職を控えており、任意継続と特例退職被保険者制度のどちらが得か比較したい会社員
  • 勤務先の健康保険組合が特例退職被保険者制度を実施しているか気になる方
  • すでに任意継続を選んでしまったが、この制度の存在を後から知って気になっている方
  • 健保組合の財政状況や、社会保険制度の持続可能性に関心のある方
この記事のポイント
  • 特例退職被保険者制度は、認可を受けた「特定健康保険組合」だけが実施できる制度である
  • 特例退職被保険者制度には、任意継続にある2年間という縛りがない
  • 特例退職被保険者の保険料は、任意継続の保険料より低くなる例が見られる
  • 制度の存続は、現役被保険者数や財政状況、企業再編など、組合ごとの事情によって異なる
  • 保険料算出の基準額は組合ごとに規約で定められており、退職時の標準報酬月額によっては任意継続の方が安くなる場合もあるため、個別の確認が必要である

1. 退職後の健康保険――4つの選択肢の全体像

退職後の健康保険には、大きく分けて4つの選択肢があります。

退職後の健康保険の選択肢
  • 家族の扶養に入る
  • 任意継続被保険者制度を利用する(退職前の健康保険に最長2年間継続加入)
  • 国民健康保険に加入する
  • 特例退職被保険者制度を利用する(特定健康保険組合の認可を受けた組合のみ、対象要件あり)

このうち特例退職被保険者制度については2章以降で詳しく取り上げるので、ここではまず残る3つの選択肢を確認します。

家族の扶養に入る場合、原則として本人の保険料負担はありませんが、収入要件(原則として年収130万円未満、60歳以上または一定の障害がある場合は180万円未満など)を満たす必要があり、退職後に年金収入などがある場合は対象外になることもあります。

任意継続被保険者制度は、退職前に加入していた健康保険に最長2年間継続して加入できる制度です。保険料は全額自己負担になります。療養の給付や高額療養費など、医療費に関する法定給付は継続しますが、傷病手当金・出産手当金は原則として支給されません。また、付加給付や保健事業の扱いは加入先によって異なります。

国民健康保険は、都道府県と市区町村が共同で運営する保険で、加入に勤続年数などの条件はありません。保険料は前年の所得をもとに算定され、世帯の被保険者数によっても変わります。

以下の関連記事では、被用者保険から国民健康保険に切り替えた場合の保険料試算を行い、多くのケースで国民健康保険の保険料が被用者保険の2倍以上になることを確認しました。任意継続の保険料は、原則として退職時の給与水準と組合平均のいずれか低い額をもとに計算されるため、前年所得をもとに計算される国民健康保険よりも、退職直後は割安になりやすい傾向があります。

4つの選択肢を比較の観点で整理すると、次のようになります。

図表1: 4つの選択肢の比較
選択肢対象になれる人保険料の決まり方利用できる期間
特例退職被保険者制度当該健康保険組合の被保険者期間が20年以上(または40歳以降10年以上)、かつ老齢厚生年金の受給権がある人組合の規約で定める標準報酬月額×保険料率後期高齢者医療制度の対象になるまで(原則75歳になるまで)
任意継続被保険者制度退職日まで継続して2カ月以上被保険者であり、退職日の翌日から20日以内に申し出た人原則として退職時の標準報酬月額と組合平均のいずれか低い額を基準に全額自己負担最長2年間(ただし、その前に後期高齢者医療制度の対象となった場合は、その時点まで)
国民健康保険他の公的医療保険に加入していない人(要件を満たせば誰でも)前年の所得や世帯の被保険者数に応じて市区町村が算定後期高齢者医療制度の対象になるまで(原則75歳になるまで)
家族の扶養収入が一定基準以下で、扶養してくれる家族がいる人原則として本人負担なし被扶養者の要件を満たす間(後期高齢者医療制度の対象になるまで)

特例退職被保険者制度は、対象になれる人が限られる代わりに、任意継続にある2年間という期限がなく、後期高齢者医療制度の対象になるまで(原則75歳になるまで)、健康保険組合に加入し続けられます。次章以降で、制度の詳しい仕組みと、制度を維持する組合の状況を見ていきます。

2. 特例退職被保険者制度とは何か

特例退職被保険者制度は、健康保険法附則第3条に基づく制度です(出典①)。厚生労働大臣の認可を受けた健康保険組合(特定健康保険組合)に限り、その組合の被保険者だった退職者が申し出により「特例退職被保険者」として加入できる仕組みです。

制度の趣旨は、定年などで退職して老齢厚生年金を受けている人が、75歳で後期高齢者医療制度に加入するまでの間、在職中とほぼ同じ保険給付や保健事業を受け続けられるようにすることです(出典②)。

一般的な加入要件は、おおむね次のように整理できます。

特例退職被保険者制度の一般的な加入要件
  • 当該組合における被保険者期間が20年以上、または40歳以降で10年以上あること
  • 老齢厚生年金の受給権があること
  • 後期高齢者医療制度の対象となっていないこと
  • 日本国内に住所を有すること

ただし、どの被保険者期間を通算できるか、任意継続期間を含むか、いつまでに申し出る必要があるか、国民健康保険や家族の被扶養者を経由した場合に加入できるかといった具体的な取扱いは、組合の規約や運用によって異なります。

法律上、退職直前までその組合に加入していることが一律に求められているわけではありません。転職して別の会社を経由した場合でも、現在または過去に加入していた健康保険組合が特定健康保険組合であれば、その組合の特例退職被保険者制度に加入できることがあります。転職経験のある方ほど、この選択肢の存在に気づきにくいと言えます。

これらの要件を見ると分かるとおり、対象となるのは長期間にわたって特定の企業や組合に在籍した人に限られます。現在または過去に加入していた健康保険組合が特定健康保険組合でなければ、選択肢には入りません。

出典

3. 加入要件と保険料の仕組み――任意継続よりなぜ保険料が安くなり得るのか

特例退職被保険者制度も任意継続も、退職後に本人および扶養家族が加入するという点は共通しています。ここでは、加入要件や保険料の計算の仕組みを、任意継続と比較しながら見ていきます。

任意継続と特例退職被保険者制度は、どちらも「標準報酬月額×保険料率」で保険料を計算するという枠組みは同じです。なお、この標準報酬月額という区分値をもとに社会保険料が計算される仕組みそのものについては、以下の記事で詳しく解説しています。

任意継続と特例退職被保険者制度では、基準となる標準報酬月額の決め方に、法律上はっきりとした違いがあります。まず制度上の建て付けを確認し、次に実際の組合ではどうなっているかを見たうえで、なぜそのような差が生まれるのかという考え方を整理します。

3-1. 制度上の建て付け――2つの基準額ルール

任意継続被保険者の標準報酬月額は、健康保険法第47条第1項により、次の1、2のいずれか低い額とされています(出典①)。

  1. 資格を喪失した時点(退職時)の本人の標準報酬月額
  2. 前年(1月から3月までの標準報酬月額については前々年)の9月30日時点における、その保険者(協会けんぽ、または加入していた健保組合)に属する全被保険者の標準報酬月額の平均額

つまり、任意継続の原則は「退職時の本人の給与水準」で、組合平均を上回る場合は平均額で頭打ちになります。ただし組合健保の場合、第1項第2号の規定により、組合平均額の範囲内で基準額をさらに低く定めることができます。一方、第2項の規定により、退職時の標準報酬月額が第1項第2号の額を上回る人については、その額を超え、退職時の標準報酬月額までの範囲で基準額を定めることもできます(出典①)。日本製鉄健康保険組合のように平均額をそのまま上限とする組合がある一方、マーキュリー健康保険組合のように上限を撤廃した組合もあります(出典③、出典④)。

これに対し、特例退職被保険者の標準報酬月額は、健康保険法附則第3条第4項により、その組合の特例退職被保険者以外の全被保険者の平均標準報酬月額の範囲内で、規約により定めることとされています(出典①)。規約額を組合平均額より低く設定することはできますが、任意継続と異なり、組合平均額を超える額を設定することはできません。

図表2: 任意継続と特例退職被保険者制度の基準額ルールの比較
制度基準額の決め方組合平均額より低い規約額組合平均額を超える設定
任意継続原則として退職時の標準報酬月額と組合平均額のいずれか低い額可能規約により、退職時の標準報酬月額まで可能
特例退職被保険者制度特例退職被保険者以外の全被保険者の平均額の範囲内で規約が定める額可能不可

どちらの制度も基準額を下げる方向の裁量があるので、任意継続と特例退職被保険者制度のどちらの保険料が安くなるかは断定できないということです。任意継続には組合平均額を超える設定も認められていますが、それを使うかどうかは各組合次第です。法律は「組合がどちらの方向にどこまで裁量を使うか」までは決めていないため、答えを出すには、実際の組合が規約でどう定めているかという運用実態を見る必要があります。

3-2. 実態――特退の基準額が任継より低くなる例

健康保険組合連合会の集計によれば、令和7年3月末現在、特例退職被保険者の平均標準報酬月額は301,954円でした。健康保険組合の全被保険者平均402,989円の74.9%にとどまっています(出典⑤p.18)。

個別の組合の開示情報でも、特退の基準額を全国集計の平均より低く設定している例が確認できます。さらに、同じ組合内で任意継続の基準額と比べると、その差がより具体的に見えてきます。

図表3: 特例退職被保険者と任意継続の基準額の比較
組合特退の基準額任継の基準額
東芝健康保険組合280,000円退職時の標準報酬月額と470,000円のいずれか低い額
(出典⑥)
日揮健康保険組合260,000円退職時の標準報酬月額
(出典⑦)
日立健康保険組合280,000円退職時の標準報酬月額
(出典⑧)

特退も任意継続も、組合が規約により基準額を定められる点は共通していますが、実際の運用には違いがあります。特退は日立や日揮のように固定額を基準とする組合がある一方、任意継続は東芝や日本製鉄のように、本人の退職時の標準報酬月額と組合平均のいずれか低い額を基準とする組合があります(出典③、出典⑥)。特退が固定額の組合では、退職時の標準報酬月額がその固定額を下回る人には任継の方が有利に、上回る人には特退の方が有利になります。日立健康保険組合の案内ページには、この点がそのまま書かれています。「特例退職被保険者制度の加入資格要件を満たす方で、退職時の標報月額が28万円未満の方は、任意継続被保険者制度への加入もご検討ください」(出典⑧「保険料シミュレーション」)。退職時の標準報酬月額が特退の固定額を上回る人ほど、特退が有利に働きやすい設計だと言えます。

図表3では示していませんが、東京薬業健康保険組合と日揮健康保険組合は、特退の基準額の算出において、平均標準報酬月額に賞与の月割額を加え、その2分の1を計算に用いる点で共通しています。ただし、具体的な決め方は異なります。東京薬業健保は、この算式による額(令和8年度は260,000円)を上限とし、退職時の標準報酬月額をもとに98,000円から260,000円の範囲で標準報酬月額を決定しています(出典⑨)。日揮健保は、算式による額にさらに75%を乗じ、規約上の上限である260,000円を適用しています(出典⑦)。

算出方法が共通なのには理由があります。2016年3月まで、特例退職被保険者の標準報酬月額は「前年9月30日における特例退職被保険者以外の全被保険者の平均標準報酬月額」と「前年の全被保険者の平均標準賞与額の12分の1」との合算額の2分の1に相当する額の範囲内で、組合が規約により定めることが法律上の上限として定められていました。この「2分の1」という上限は、2016年4月の改正で撤廃され(出典⑩p.98)、現在は平均額そのものの範囲内で組合が規約により定めることになっています。旧法時代の算式を構成していた考え方が、現在の規約にも残っていると見ることができます。

3-3. なぜ特退の基準額が任継より低く設定されることがあるのか

特退の基準額を任継より低く設定する組合があることは、この制度が現役時代の貢献を退職後に還元する仕組みとして位置づけられてきたことと無関係ではないと考えられます。厚生労働省の資料では、特定健康保険組合について「現役時代に組合の財政運営に寄与した者に対し、退職後、保険給付の必要性が増える時期に還元することができる」「企業にとっても、永年企業に貢献したOBに対し、報いることができる」と説明されています(出典②p.2)。一方で、同じ資料では、「特例退職被保険者の1人当たり医療給付費は、健康保険組合の全加入者の医療給付費の平均額に比べ約3倍弱となっている」とも指摘されています(出典②p.4)。医療費がかさみやすいこの層を組合が独自財源で支え続けるには、財政状況に応じて基準額を柔軟に設定できる余地が必要だったと考えられます。3-2で見た2016年の改正は、まさにこの点で、組合が規約で設定できる基準額の上限を、旧来の算式による額から組合平均額まで引き上げました。

基準額を下げることには、保険料以外にも効果がある場合があります。標準報酬月額は、70歳以降に医療機関の窓口で支払う自己負担割合(現役並み所得かどうかの判定)にも関わります。衆議院に提出された質問主意書では、一部の特定健康保険組合が、70〜74歳の特退加入者について、収入額などの要件とあわせて現役並み所得者の判定を回避する方向に働くよう、規約により特例退職被保険者の標準報酬月額をあえて平均額より低く(月額28万円未満に)定めている実態が指摘されています(出典⑪)。

これに対して任意継続は、資格喪失後の一定期間、従前の保険を継続する仕組みという位置づけです。いずれも組合の平均標準報酬月額を参照する仕組みですが、片方は退職者の生活を長期的に支える仕組みとして組合の裁量で低く設定され、もう片方は退職時の給与水準と組合平均のいずれか低い方を引き継ぐ暫定措置として設計されている、という制度趣旨の違いが、実際の保険料の差につながっていると考えられます。

ただし、これはあくまで傾向であり、組合ごとの規約次第です。加入を検討する際は、両制度の見込み保険料を、必ず対象となる組合に個別に確認することをお勧めします。

4. 特退はどの組合で使えるのか――維持・廃止の背景と最新一覧

特例退職被保険者制度は組合にとって任意の制度です。けんぽれんの統計では、令和7年3月末現在の特定健康保険組合数は64組合(全組合の4.6%)とされており(出典⑤p.18)、この制度を利用できる組合はそもそも多くありません。そのような中で、制度を維持できるかどうかは、現役被保険者数や年齢構成、保険料率、積立金、医療費、母体企業の再編など、組合ごとの事情によって左右されます。以下、その背景と実際の事例、そして特定健康保険組合の一覧を確認します。

4-1. 健保組合全体の財政悪化という背景、廃止と新規認可の事例

健康保険組合連合会(けんぽれん)の集計によると、令和6年度決算見込みでは、集計対象組合の約半数(赤字660組合、黒字718組合)が赤字となっています(出典⑫p.5)。ただし、この集計は健保組合全体を対象としたものであり、特退を維持している組合がすべて黒字であることを示すものではありません。特定健康保険組合だけを抽出した収支状況は、今回確認した公表資料からは把握できませんでした。特定健康保険組合も、こうした財政悪化と無縁ではありません。特例退職被保険者は在職中より保険料負担能力が下がりやすい一方で給付水準は維持されるため、財政面での負担が相対的に重くなりやすい構造にあります。

実際、こうした財政環境の中で、制度を廃止する組合が出てきています。

KDDI健康保険組合は、厳しい財政状況を背景に、2025年3月31日をもって特定健康保険組合の認可取消しを申請し、制度を廃止しました(出典⑬)。サンヨー連合健康保険組合は、2016年3月31日付で制度を廃止しており、その組合会資料には「一般被保険者数が激減してしまったことで、将来にわたり、特例退職被保険者制度を維持するだけの収入を確保することが困難な見通しとなりました」と明記されています(出典⑭)。母体企業の従業員数が減少し、現役世代からの保険料収入で高齢の特例退職被保険者を支えきれなくなったことが、廃止の直接的な理由です。

一方、シャープ健康保険組合は制度そのものは維持しつつ、2025年10月1日から新規加入を停止しました(出典⑮)。

他方で、近年も新規認可を受ける組合があります。2021年に認可された、ボッシュ・ホームコンフォート・ジャパン健康保険組合の前身である日立ジョンソンコントロールズ空調健康保険組合、2024年に認可された日立建機健康保険組合、プロテリアル健康保険組合は、いずれも日立グループを起点とする組合です。3組合とも特退の基準額を280,000円と規約で定めており、日立健康保険組合と同じ額を採用しています(出典⑤p.19、出典⑯、出典⑰、出典⑱)。この3例からは、企業再編後に新たに特定健康保険組合の認可を受けた場合でも、分立前の制度設計と共通する部分が残ることがあるとうかがえます。

4-2. 特定健康保険組合数と組合一覧

けんぽれんの統計に掲載されている64組合のうち、KDDI健康保険組合は2025年3月31日をもって制度を廃止しています。そこで本記事では、この64組合からKDDI健康保険組合を除いた63組合を掲載します。

なお、この一覧は2026年現在の新規加入の可否を保証するものではなく、シャープ健康保険組合のように新規加入を停止している組合も含まれます。また、国際・政策銀健康保険組合、日本経済新聞社健康保険組合、日本中央競馬会健康保険組合、パイオニア健康保険組合の4組合については、2025年3月末時点で特定健康保険組合であったことは一次資料で確認できますが、2026年現在の新規加入の可否や具体的な手続きは、公開情報だけでは確認できませんでした。この4組合を含め、実際に加入できるかどうかは、必ず個別の組合に確認してください。

図表4: 健保連の2025年3月末一覧を基礎に整理した特定健康保険組合63組合
(「+」を押すと一覧が表示されます)
出光興産健康保険組合オムロン健康保険組合関電工健康保険組合
外国運輸金融健康保険組合キリンビール健康保険組合キヤノン健康保険組合
きんでん健康保険組合慶應義塾健康保険組合国際・政策銀健康保険組合
ジブラルタ健康保険組合出版健康保険組合シャープ健康保険組合
住友商事健康保険組合住友生命健康保険組合セキスイ健康保険組合
全日本空輸健康保険組合ソニー健康保険組合第一生命健康保険組合
大和証券グループ健康保険組合大和ハウス工業健康保険組合中央ラジオ・テレビ健康保険組合
テレビ朝日健康保険組合電通健康保険組合トーエネック健康保険組合
東京ガス健康保険組合東京放送健康保険組合東京薬業健康保険組合
東芝健康保険組合長野県農業協同組合健康保険組合日揮健康保険組合
SMBC日興証券グループ健康保険組合ニコン健康保険組合日本アイ・ビー・エム健康保険組合
日本銀行健康保険組合日本経済新聞社健康保険組合日本航空健康保険組合
日本生命健康保険組合日本中央競馬会健康保険組合BIPROGY健康保険組合
農林中央金庫健康保険組合野村證券健康保険組合パイオニア健康保険組合
パナソニック健康保険組合博報堂健康保険組合阪急阪神健康保険組合
日立健康保険組合富士通健康保険組合富士フイルムグループ健康保険組合
ホンダ健康保険組合三菱UFJ銀行健康保険組合三菱UFJ証券グループ健康保険組合
三菱電機健康保険組合みずほ健康保険組合民間放送健康保険組合
明治安田生命健康保険組合明電舎健康保険組合ルネサス健康保険組合
労働者健康安全機構健康保険組合早稲田大学健康保険組合プルデンシャル健康保険組合
ボッシュ・ホームコンフォート・ジャパン健康保険組合日立建機健康保険組合プロテリアル健康保険組合
出典

まとめ

退職後の健康保険には、任意継続・国民健康保険・家族の扶養という3つの選択肢のほかに、特例退職被保険者制度という第4の選択肢があります。この制度は、任意継続と似た仕組みでありながら、組合の裁量によって基準額が組合平均より低く設定されている場合があり、結果として任意継続より保険料が安くなるケースがあります。それにもかかわらず、勤務先、あるいは元勤務先の組合に制度があること自体に気づかないまま、任意継続を選んでしまうこともあり得ます。実際、特例退職被保険者数は2024年3月末の138,144人から2025年3月末には124,529人へと、1年間で約9.9%減少しています(出典⑤p.18)。正確な理由は公表資料からは確認できませんが、転職が一般化して長期加入の要件を満たす人が減っていることや、制度が広く知られていないことも一因かもしれません。

一方で、この制度自体が今後も同じ形で続くとは限りません。制度の存続は、現役被保険者数や年齢構成、医療費、保険料収入、積立金、母体企業の再編など、組合ごとの事情に左右されます。

もし勤務先あるいは元勤務先に健康保険組合があるなら、その組合が特定健康保険組合であるかどうか確認してください。その上で特例退職被保険者制度の加入要件を満たすならば、任意継続を選ぶ前に一度、保険料を比較してみることをお勧めします。

執筆者プロフィール

粕谷英雄
サマーオーシャンコンサルティング

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者としての知見をもとに、お金に関する意思決定を支援。制度の仕組みや背景、資産形成の考え方を整理して発信しています。

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